「三島」の器ができるまで
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草來舎の長年の人気商品、三島の器の製作工程。
三島手は15世紀の李朝朝鮮の粉青沙器の技法のひとつです。 鉄分の強い褐色の粘土に白い化粧土を象嵌した模様が、三島神社の暦に似ていたところから「三島手」、「暦手」とも呼ばれています。
ロクロで挽き上げた器が半乾きになったところで、自作の陶印で一つ一つ模様を押していきます。
そうしてできた凹みに丁寧に白化粧土を埋め込みます。
この白化粧土は朝鮮半島のカオリンという土から調合して作ります。 胎の土と白化粧土が馴染み、程よい硬さに乾いたところで、じっくりカンナで模様を削り出していきます。
このカンナの当て方で浮き出す模様の表情が全く異なってきます。 白化粧土の表情を生かしながら控えめに削ることが大事です。
象嵌が終わったら十分に乾燥させ素焼き、そして楢の灰から仕立てた透明な釉薬を掛けて本焼きをします。窯の中でも炎の柔らかい所でじっくり焼き上げています。
「三島手」は、室町時代のお茶が盛んな時代に重用されました。
時間と手間のかかる技法ですが、控えめで落ち着いた味わいと、渋い華やかさを併せ持つ器です。お茶が映え、酒を旨くし、料理をそっと引き立ててくれます。
今回の展示会では 酒器の徳利や盃、片口、湯呑など各種の三島の器を取り揃えました。
展示会場で実際に、ぜひ手にとって頂ければ幸いです。
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